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‎08-21-2013 02:04 PM
‎08-21-2013 02:04 PM

はじめまして。ジュニパーSEの有村です。

 

私は、サービスプロバイダー技術本部に所属し、日本の通信事業者様、サービスプロバイダー様に対して、弊社製品・ソリューション・次世代アーキテクチャの提案を行っています。また、日本オフィスのエンジニアで構成されるスイッチ•データセンター製品と、SDNのバーチャルチームにも所属し、新技術の提案内容や業界動向についての議論を日々重ねています。このブログでは、皆様に新しい技術や製品を分かりやすく紹介していきたいと思っていますので、どうぞ、よろしくお願いします。

 

SDN時代のデータセンター・アーキテクチャとは?

 

近年のデータセンターを取り巻く技術革新は目覚ましい限りです。とはいえ、実際に検討された割にはあまり使われなかったという技術も存在するため、これから数年でいったいどのような技術が今後発展し使われていくのか、悩んでいるという方も多くいらっしゃるかと思います。

 

また、この1〜2年で、市場ではSDNというキーワードが多く議論されるようになりました。SDNは「コントロールプレーンとフォワーディングプレーンを分離し、ネットワークにプログラマビリティを持たせる」と定義されていますが、SDNというドメインが増えた事で、この市場でのプレイヤー(コンペやパートナー)の顔ぶれも大きく変わりました。あらゆる物が様変わりする今、このSDN技術の登場で、これまで混沌としていた技術がますます複雑なものになりつつあります。

 

実際、昨年のInteropTokyo2012 OpenFlow Showcaseでは、OpenFlow製品に限った多くのデモが行われました。

 

しかし、今年のInteropTokyo2013 SDN Showcaseにおいては、エンハンスされたOpenFlowの製品のみならず、オーケストレーターとオーバーレイ技術を用いてのデータセンター・マルチテナンシー・サービスを提供する製品や、PCEを使ったMPLS LSPの管理ツール、セキュリティ製品など、幅広く非常に多くの製品デモが行われました。これは、昨年まではまだ実験段階といったところだったSDNが、いよいよ実用化に向けて具体的な検討がされる段階に来たことの表れではないかと考えています。

#ジュニパーもオーバーレイでバーチャルマシンのリーチャビリティとモビリティを提供するJunosV Contrailや、JunosSpaceを用いてのPCE MPLS/OpenFlowデモ、REST APIデモなどを行わせて頂きました。

 

そうなると、しつこいようですが、これまで混沌としていたデータセンター・アーキテクチャをどう考えていけばいいのか?ネットワークに対しSDNをどのように適用していけばいいのか?という検討が必要になってきます。

 

そこで、本ブログでは、前編・後編の2回に分けてSDN時代のデータセンターというテーマで、データセンターのユーズケースと必要な技術要件、アーキテクチャについての整理をForwarding Planeを中心に、ご紹介していきたいと思います。

 

■データセンター・アーキテクチャのトレンドとユーズケース/技術要件

 

まず、代表的なデータセンター・アーキテクチャと、ユーズケース、技術要件の整理をしたいと思います。

 

当然の話ですが、データセンター・アーキテクチャの検討は、どのようなサービスをデータセンターで展開するかというところから始まるわけで、基本的には以下の図(図1参照)のように分類する事ができます。

 

pic1.jpg

<図1. データセンターネットワーク アーキテクチャの進化>

 

次に、それぞれの概要についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

- L2デザインデータセンター

 

ここ数年多く議論されていたデータセンター・アーキテクチャといえば、データセンター内でL2 Multipathを用いるL2 Fabricとも呼ばれるアーキテクチャです。これはハイパーバイザー上で動作するバーチャルマシンを中〜大規模で運用したい、データセンターにおけるFCとIPの統合をしたい、といった要件を実現するためのアーキテクチャとなります。ご存知の通り、物理サーバーの上で仮想マシンを運用し、ライブマイグレーションを行う際は、ライブマイグレーションを行うサーバー間をレイヤー2で接続する必要があります。また、ライブマイグレーションをデータセンター間で行う場合、データセンターを跨いだWAN経由でレイヤー2接続しなければなりません。

#長距離になればなるほど、遅延など解決しなければならない課題もあります。

 

以下の図(図2参照)が、ジュニパーのデータセンター・アーキテクチャの構成例です。DC内においては、EXシリーズやQFabricシリーズを用いてL2 Multipathを提供します。また、データセンター間の接続に対しては、MXシリーズ、EX9200を用いてVPLSやE-VPNといったMPLSベースのトンネリング技術を用い、L2 extensionを行う事で様々な規模で、データセンター・サービスを提供する事が可能となります。

 

pic2.jpg 

<図2.ジュニパーが提供するデータセンターモデル>

 

- L3デザイン・データセンター

 

L2 Fabricのデータセンターが多く展開されている一方で、データセンターを大規模なL3ベースで設計し、運用するというユーザー事例が増えています。このL3データセンターは下の図のようにL3 Fabricとも呼びますが、このL3 Fabricのデータセンターを展開するのは、eコマースやSNSといった、大規模にWebサービスを行う企業に多い事例になります。このL3 Fabricデータセンターのポイントは、単に装置間をレイヤー3で接続する点ではなく、Spine-and-Leaf構成によって各装置が同一コストによって接続されるという点です。図3にあるようにSpine-and-Leaf構成を用い、データセンター内でBGPもしくはOSPFを動作させ展開する事により様々なメリットを得る事ができます。

 

とはいえ、単にL3 Routing Protocolをデータセンター内で動作させればいいというわけではなく、BGPを選ぶのかOSPFを選ぶべきかについての検討が必要になります。これは、どのようなサービスをどの程度の規模で展開するか、導入する装置のCapabilityや運用するエンジニアのスキルにも依存するところです。

 

pic3.jpg

<図3. L3ファブリック>

 

■続きは次回…

 

SDN時代のデータセンターアーキテクチャ 前編の今回は、データセンターアーキテクチャのトレンドと、L2/L3ファブリック構成についてご紹介しました。

 

後編では残り2つのアーキテクチャ、SDNにてOverlayを用いる「L2 over L3デザイン」とOpenFlowを用いた場合の「Hop-by-Hopデザイン」の アーキテクチャについて、ご紹介したいと思います。

 

 

profile.jpg有村淳矢

技術統括本部

サービスプロバイダ技術本部

システムズエンジニア

2003年国内大手システムインテグレーターに入社。通信事業者担当のネットワークエンジニアとして全国規模のネットワークプロジェクトを経験し、2010年ジュニパーネットワークスに入社。以降、通信事業者/サービスプロバイダ担当のハイタッチSEとしてインターネットバックボーン、データセンター、SDNといった幅広い領域での業務に従事。

 

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